「山が灰色になる!?」
そんな危機感を抱いたのは、20世紀もまもなく終わろうとしていた頃でした。当社はそれまで、土木工事会社として、崩壊した山腹を早期に復旧するため、あるいは土砂災害の危険を未然に防ぐために、数多くの土留(どどめ)と呼ばれるコンクリートの構造物を造ってきました。
しかしながら、これらはあくまで二次的な措置であり、本来、山崩れを防ぐには、森林を適正に管理する必要があります。特に奥三河地域のように、人工的に植えられた杉や檜が中心の山では。そうでなければ、いくら土木工事で補強しても、山は次から次へと崩壊してしまいます。すると、最終的にはすべてコンクリートで覆われたような灰色の山ができてしまいかねません。